東京バレエ学校活動報告 【1】ヨーロピアン・バレエ・グランプリに挑戦 -[2]ウィーンの舞台に立つ

 

昨年(2018年)11月中旬から年末まで1カ月半、東京でのワークショップに参加し、ブラウリオ・アルバレス(東京バレエ団ソリスト、東京バレエ学校コンテンポラリー・クラス担当教師)による新作の振付指導を受けていた東京バレエ学校の有志の生徒たち。アシスタントの許山麻有(東京バレエ学校教師)からも細かな注意を受けながら、さまざまなことを学び、感じつつ、新作に向き合う充実の日々を過ごしました。
年明け早々に再開したワークショップでは、13〜15歳のグループ、16〜18歳のグループともに、急ピッチで仕上げのリハーサルを進め、2月初旬、皆でウィーンに渡航します。


ウィーンでの体験

ヨーロピアン・バレエ・グランプリの会場となったのは、ウィーン市の北部にあるムート(MuTh)という、2012年にできた比較的新しいホール。ウィーン少年合唱団の宿舎があるアウガルテン宮殿の敷地内にあり、彼らの演奏会の場として親しまれているそう。そのほか、ウィーンのバレエ学校、ダンス・アーツのスタジオでもワークショップが行われたり、リハーサルをしたりしていました。「ウィーンは歴史的な街で美しくて、ヨーロッパの雰囲気を肌で感じることができました」(中1・男)と、皆、その街並みに心を動かされたようです。


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本番当日、会場の前での集合写真


ウィーンに到着した翌日から、ダンス・アーツでのワークショップに皆で参加。クラシック、コンテンポラリーの両クラスともに、生徒たちにとって貴重な体験になりました。


「コンテンポラリーでは表現の仕方や、全身を大きくつかうことを学びました。もっと型にはまらずに自由に体をつかえるようになりたいと思いました」(中1・女)

「細かいところまで気を遣うことができるという、日本人の良いところもわかり、自信につながった」(中1・女)

「クラシックのクラスは、東京バレエ学校のレベルとあまり変わらないように感じました。コンテンポラリーでは、やったことのない動きが多く、学ぶことがたくさんありました」(中1・男)


海外の指導者のアドバイスはもちろん、海外の同世代の生徒たちのレベル、取り組み方に触れるとともに、東京バレエ学校でのレッスンの積み重ねの大切さにも気づかされたようです。


「海外からの参加者に刺激を受けました。基礎はもちろんのこと、華やかさ、存在感を強く感じ、私のモチベーションも上がりました」(高2・女)

「コンテンポラリーのクラスでは、クラシックとコンテンポラリーには共通点が多くあることを知り、とても勉強になりました」(高1・女)


翌6日のレッスンはリハーサルに費やされ、7日にいよいよ本番、コンペティション予選です。東京バレエ学校からは、ティーンズ(13〜15歳)とジュニア(16〜18歳)の2グループがコンテンポラリー・グループ部門に出場し、2組とも予選を通過。さらに、8日のファイナルでも無事に演技を終え、2組とも第3位入賞という結果となりました。


本番を終えて

長時間のフライトの疲れや過密スケジュールで、直前のリハーサルでは皆、本調子ではなかったようですが、しっかり栄養を摂ってゆっくり休息をとり、予選・ファイナルともに満足のいく演技ができたそう。
ティーンズのメンバーたちに現地での感想を聞いてみると──。


「日本のコンクールと違い、アットホームな印象を受けました。日本人のスタッフの方に助けていただいたことが多く、語学力がいかに必要かということを実感しました」(中1・女)

「踊りに少しずつ感情を入れられるようになると、完成度が上がり、ファイナルではとても気持ちよく踊れて最高でした」(中1・女)

「緊張しましたが、楽しくて、もっと踊っていたいと思いました」(中1・女)


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ティーンズの作品『Ants』


ジュニアのメンバーたちも、本番の感想をこう述べています。


「日本のコンクールとは空気感が違いました。素晴らしい技を持つ人がいれば、皆がいい意味で注目をし、一人ひとりが『自分を見て!』というオーラを放ち、お互いを高め合っているような空気感でした」(高1・女)

「上位入賞者の人ほど謙虚、配慮ある行動をとっていて、熱量をすごく感じました。いまの自分に足りないものが多々見えるようになりました」(高2・女)


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こちらはジュニアの作品『She's a Rebel』


コンテンポラリーの新作に取り組んだことも、彼らの大きな自信になったようです。


「振付がすばらしかったので、楽しんで踊ることができました。グループで、他の皆と合わせることの大切さも学びました」(中1・男)

「『このアンサンブルがうまくいくためには、まずは自分自身のために踊ることが必要』とブラウリオ先生が教えてくださり、作品を踊ってそれを実感することができました」(高1・女)

「『She's a Rebel』は、明るい曲で振りも面白い作品でしたが、無音で踊る部分もあって、とても大変でした。自分たちで動画を撮って、カウントをしっかり決めて合わせるようにしたり、練習の前には早めに集まって話し合ったりもしました。この作品を踊ってとても楽しかったのはもちろん、グループで合わせて踊る大変さをあらためて実感しました」(高1・女)

「こんな動きがあるのか!? と感じながらも、練習を重ねればできるようになる。そのプロセスが自信につながりました」(高3・男)


皆それぞれに、いろいろなことを感じ、考えるチャンスを得た貴重な体験となったようです。