海外研修制度

2016年12月 5日

海外研修生だより【4】
第7回ワガノワ国際バレエコンクール体験記 

吉江絵璃奈ジュニア部門第2位に

 10月下旬サンクトペテルブルクで開催されたワガノワ国際バレエコンクールにて、ワガノワ・バレエ・アカデミーに留学中の吉江絵璃奈がジュニア部門第2位に入賞しました。今回は、このコンクールの模様を吉江から届いたレポートとともにご紹介します。

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左:コンクールのパンフレットやTシャツ。右はクラス・レッスンの時に吉江がつけていたゼッケン
右:出場ダンサーたちとともに


バレエ学校主催の権威あるコンクール
「名誉あるコンクールに出場できて、そのうえ第2位に入賞させていただいて、本当に嬉しかったです」という吉江の感想のとおり、ワガノワ国際バレエコンクールは、1988年に第1回が開催され、その後ウリヤーナ・ロパートキナ(1990)、スヴェトラーナ・ザハロワ(1995)、ワディム・ムンタギロフ(2006)ら、のちに世界的に活躍するダンサーたちが入賞した、権威あるコンクールとして知られています。
 2006年を最後にしばらく開催されていませんでしたが、アカデミーの校長を務めるニコライ・ツィスカリーゼの主導により、10年ぶりの開催が実現しました。
 バレエ学校主催のコンクールとあって、55人の参加者のうち半数はワガノワの生徒ですが、ボリショイ・バレエ学校や海外からの参加者も。今回日本からは、ワガノワで学ぶ生徒と外部生を含め13人の若きダンサーたちが参加しました。
 今回の審査委員長はワガノワ・メソッドを確立したアグリッピナ・ワガノワの最後の教え子として知られるイリーナ・コルパコワ。ほかにジャンナ・アユポワ、マリーナ・レオノワといったロシアの指導者、ローザンヌ国際バレエコンクール芸術監督のアマンダ・ベネットらに加え、東京バレエ団芸術監督斎藤友佳理が審査員を務めました。

 審査で重視されるのは、クラシックの基礎。審査はクラス・レッスンから始まります。


「このコンクールに出ることになって、嬉しく思う反面、たくさんの不安がありました。とくに、レッスン審査です。これに受からなければ、せっかく練習してきたヴァリエーションを舞台で踊ることができないのです。
 ロシアの人は皆とても綺麗ですから、レッスン審査で、どうしたら審査員の目にとまるだろうかと、よく考えてのぞみました。 
 10月24日は、レッスン審査の振りうつし。バー、センター、ポワントと、一気に行われたので覚えられないところもあり、友だちと確認したりして覚えました。
 翌25日が、レッスン審査。試験の時のように、次々と、前日に振りうつしした振りを見せていきました。
 審査が終わってから1時間ほどで出場者が集められ、結果が発表されました」(吉江)

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レッスン審査の様子


 第1次審査を通過したのは55人中24人。半数以下にしぼられました。吉江も無事、第1次審査を通過し、ヴァリエーションの審査による決戦へと進みます。

「26日はエルミタージュ劇場でのリハーサル。普段は床に傾斜のついたスタジオで練習をしているので、傾斜のない舞台は、少し感覚が違いました。
 決戦は27日。朝、出場者のためのレッスンに出て、その後バスでエルミタージュ劇場まで行きました。私のグループは男の子と一緒に審査だったので、待ち時間が長く、緊張しました」(吉江)
 
 決戦は男性、女性ジュニア、女性シニアの3部門に分かれ、ダンサーは規定の作品の中から2つのヴァリエーションを踊ります。
「私は『海賊』からオダリスクの第3ヴァリエーションと、『ディアナとアクティオン』のヴァリエーションを踊りました。とくにオダリスクのほうに心配があり、本番で失敗、とても悔しい思いをしました。ディアナは、一度エルミタージュ劇場のコンサートで踊らせていただいたので、落ち着いて踊ることができました。が、最後をしっかり決めることができず、両方とも納得のいく踊りはできませんでした。
 それでも第2位をいただくことができたので、とても驚きました」(吉江)

 コンクールの場はまた、同世代の若きダンサーたちからたくさんの刺激をもらうことができる、素晴らしい機会でもあります。

「パ・ド・ドゥで第1位、第2位だった韓国のペアとワガノワの生徒のペアなどは、本当に引き込まれる踊りで、ただ踊れているだけでなく、その先に、パ・ド・ドゥだけでストーリーが見えるような表現力があり、とても勉強になりました。私もそんな踊りができるようになりたいと思いました」(吉江)

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左:シニア部門第2位のエレオノーラ・セヴェナルドさんとツーショット!
右:ユリア・カゼンコワ先生と

 
 今回のコンクールでアグリッピナ・ワガノワの作品を踊ったのは、『ディアナとアクティオン』を選んだ吉江ただ一人だったといいます。

「ワガノワ・バレエ・アカデミーで練習して、この舞台で踊れたということが本当に嬉しかったです。
 決戦の2日後にマリインスキー劇場で行われた〈ガラ・コンサート〉でもディアナを踊らせていただき、とても良い経験ができたと思います。
 これまで指導してくださった先生がた、コンクールの審査員の方々、応援してくれた家族や友だち、沢山の人に支えられてこのコンクールを終えることが出来ました。本当に感謝の気持ちで一杯です。
ありがとうございました」(吉江)

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ディアナのポーズ!

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〈ガラ・コンサート〉で踊った『ディアナとアクティオン』のヴァリエーション。袖から友人が撮影してくれた1ショット




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審査員と入賞者たち。前列中央は審査委員長のコルパコワ。右端にツィスカリーゼ、左から2番目には斎藤友佳理の姿も。